投球フォームの徹底解析|野球肩を防ぐメカニズム
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PITCHING FORM ANALYSIS
投球フォームを徹底解析|野球肩・野球肘を防ぐ投球メカニズムの完全解説
投球動作を正しく理解することが、肩・肘を守る第一歩です。
野球の投球動作は、手や腕だけで行う動きではありません。下半身から上半身、そして指先までを連動させた全身運動です。ピッチャーをはじめ、すべての野球選手にとって、各フェーズで何が起きているかを正確に知ることが、肩・肘の障害を防ぐ根本的な対策になります。
可動域の低下や体幹の不安定さに気づかないまま投球を続けると、フォームが崩れ、肩や肘に過度な負担が積み重なります。フィジカルデザインでは、一般的な6フェーズをベースに、独自の10フェーズ分析を用いてより詳細に投球動作を評価・改善しています。
👉 野球肩の総合情報はこちら:野球肩 完全ガイド|広島スポーツ整体フィジカルデザイン
SECTION 01
一般的な投球動作の6フェーズ
投球動作は一般的に以下の6つのフェーズに分けて理解されています。ピッチャーの肩・肘障害を考えるうえで、まずこの基本的な流れを把握しておくことが重要です。それぞれのフェーズで適切な身体の使い方ができていないと、肩や肘への負担が蓄積し、野球肩・野球肘につながるリスクが高まります。
PHASE 01
ワインドアップ期
投球開始の準備動作。軸足に重心を安定させる。
PHASE 02
コッキング期
胸郭を最大限にひねり、ボールに力を蓄える。
PHASE 03
アクセレレーション期
下半身から連動して腕を振り、加速させる。
PHASE 04
リリース期
指先でボールを放す瞬間。最も肩・肘への負荷がかかる。
PHASE 05
ディセレレーション期
腕を安全に減速させる。故障が起きやすいフェーズ。
PHASE 06
フォロースルー期
全身の力を抜きながら投球動作を完結させる。
SECTION 02
フィジカルデザインが提案する投球動作の10フェーズ
投球動作は「なんとなく」できても、各フェーズで全身がどうあるべきかを具体的に説明できる選手は多くありません。フィジカルデザインでは6フェーズをさらに細分化した10フェーズで分析し、ピッチャー1人ひとりのフォームの問題点を明確にします。
PHASE 01
WINDUP / SET POSITION
1.ワインドアップ・セットポジション
動作:踏み出し足を上げ、軸足に重心をのせ安定して立つことが必要です。力みなく姿勢を安定させるためには股関節の可動域と臀部・体幹の機能が必要です。この姿勢から、スムーズに重心を移動させるヒップファーストへつなげていく必要があります。
ポイント
・軸足でバランスよく立てること
・股関節の柔軟性と体幹の安定性
・軸足への重心のコントロール
股関節や胸郭の柔軟性が不足していると、骨盤が後傾し背中が丸くなったり、重心位置がブレたりして、次の動作へのスムーズな移行が妨げられます。この段階からすでにフォームの崩れが始まっていることも多いです。グローブの高さは選手によって異なりますが、グローブの位置は中心よりも軸足側にあります。
動作:体重を軸足に乗せたまま重心を前に移動させます。このフェーズは、踏み出し足のひざが伸び、お尻から前方に重心が動き、右投げの場合、身体は「逆く」の字のようになります。ボール側の手が外側へ離れていく瞬間でもあります。
ポイント
・軸足に体重を乗せたままの重心移動
・股関節の柔軟性と体幹の安定性
・前方への重心のコントロール
股関節の可動域や体幹の安定性が不十分だと、ゆっくりとした前方への重心移動が難しくなります。両肩のラインは地面と平行を保っている選手が多いです。
動作:踏み出し足の「ひざ」が曲がって重心がさらに前方に移動していきます。投球側の手のひらは一塁方向を向き、グローブ側の手は小指側が上を向き捕球面が前側方向に向きます。
ポイント
・踏み出し足の股関節は内向きに捻られる
・両腕も内側に捻られ身体の開きを抑えている
・前方への重心コントロール
股関節や腕の内側に捻る(内旋)可動域が不足していると力のタメができません。軸足股関節は外側に開き体重を支え続けます。
動作:踏み出し足が着地した瞬間です。重心移動させながら地面スレスレまで我慢していた足を着地させます。このフェーズは、踏み出し足の「ひざ」と「足」が前方に向きます。着地する足は「つま先」「かかと」のどちらかになりますが、つま先から着地するプロ選手が多い傾向です。着地する足は親指側(内側)から着地します。
ポイント
・軸足でバランスよく立つこと
・股関節の柔軟性と体幹の安定性
・重心のコントロール
股関節の可動域や体幹の安定性が得られていないと、「ひざ」が外や内にブレて制球も安定してきません。ボール側の手は肩の延長線上にあり「手のひら」は下を向きます。この時、肘が下がっているとボールから持ち上げることとなるため肩・肘への負担が大きくなってきます。
PHASE 05
TOP / COCKING
5.トップ・コッキング
動作:ボールを投げる前の回転運動が始まる瞬間です。多くのプロ選手はボール側の肘は90度程度曲がっています。肘が曲がっていないと腕投げになりやすく肩・肘への大きな負担となります。両肩を結んだラインは前方に向き身体の開きを抑えています。
ポイント
・ボール側の肘は90度に曲がる
・胸は前方に開かない
・体幹の「ひねり」が最大になる
この時、胸郭や肩甲骨の回旋が不足すると、腕だけが後方に引かれるような投球(腕投げ)が強調され、肩関節前方や肘に大きなストレスがかかります。トップでは、ボール側の手の位置が高くなったり、後方に遠くなったりするとリリースのタイミングが異なるためコントロールが難しくなります。ボール側の手のひらは三塁方向を向いています。
また、トップポジションで肩が開いていると、下半身の力が上半身に伝わりにくいため球速が上がりません。これらの動作を意識的に作ると力で修正しようとするので肩・肘の故障の原因になります。脱力したまま一定の動作が行えるよう練習しなければなりません。
PHASE 06
ARM SWING START
6.腕の振りはじめ
動作:ボール側の手を振り始めるところ。軸足の股関節を内側に捻って骨盤の回転が入ります。ボール側の肘が約90度だったのをさらに曲げてさらに腕の外へのひねり(外旋)が入ります。
ポイント
・ボール側の肘がさらに曲がる
・グローブ側の小指を身体に近づける
両腕を回転中心である身体に近づけることは、より早く回転させる技術です。
PHASE 07
ACCELERATION
7.腕の加速・アクセレレーション
動作:軸足で地面を押しながら股関節を内側にひねることで、骨盤・上半身が連動して回旋し腕が振られます。身体全体で腕を振って加速させるフェーズ。カラダが「逆C」を描くように胸を張り、腕がしなる。肩最大肩外転・腕最大外旋の状態から、ボール側の手の小指は上を向き、そこから腕を内にひねり(内旋)ながら肘が伸ばされ、リリース(ボールを離す)までの動作です。いわば、「投げる力を一気に出す」瞬間です。
求められる動き
・股関節の伸展・内旋、骨盤の回転
・股関節 → 胸郭 → 肩 → 腕への連動性
・肩甲骨後方への動きと腕のしなり
股関節・胸郭・肩甲骨の十分な可動域が得られていないと、「胸の張り」「腕のしなり」が生まれないため、腕の力に頼って無理にボールを加速させなければならなくなり、肩・肘への過剰な負担がかかります。
動作:投球開始から「脚 → 骨盤 → 胸郭 → 肩甲骨 → 腕 → 指」と力を伝え、加速したボールを指先からリリースする瞬間です。
見逃しがちなポイント
・手首・指の使い方
・ボールを放すタイミングの安定性
・上半身の軸の保持
ボール側の小指が上を向いて腕を加速していましたが、リリースの瞬間は手の平が前方に向きます。ボールを離す瞬間は人差し指・中指でボールを抑え込みます。踏み出し足は、お尻・太もも裏の力でひざが固定され地面を押すような形で伸び始め体重移動に急ブレーキが働き、その力を用いて腕が振られます。
ゼロポジションとは肩甲骨と腕の骨の配列が一直線に整い、インナーマッスルも均等に働くため、肩に負担のかからないポジションです。
PHASE 09
DECELERATION
9.腕の減速・ディセレレーション
動作:見落とされがちなフェーズです。ボールをリリースした後、ボール側の腕は踏み出し脚の外側に振られます。グローブは身体に引き付けています。プロ選手の多くは、ボールリリース後に小指が上を向きます。しかしこれは意識して行うのではなく、腕をしならせて自然に行われます。
影響を受ける部位
・棘下筋・小円筋など肩の後方安定性
・肩甲骨の安定性
・体幹の回旋と股関節によるブレーキ機能
リリース後、腕の減速を筋肉の力だけで行うと、肩後方の筋肉や腱に過剰な牽引ストレスがかかり、肩の後部痛の原因になります。このフェーズにも、しなやかなフォームと柔軟性が求められる部分です。
PHASE 10
FOLLOW THROUGH
10.フォロースルー
動作:ボールを投げ切り投球動作の完了です。投げ切った後に守備の準備ができると良いでしょう。投球後、腕を振り切り、踏み出し足にしっかりと体重が乗り急ブレーキがかかっていれば、踏み出し側の「ひざ」が伸び、軸足が外に開き足裏が上を向きます。
注目すべき点
・踏み出し側のひざが伸びる
・股関節・胸郭の柔軟性
・反動を抑える筋力と体幹の安定性
柔軟性が不足している選手は、腕の力が抜けず、ムチのようなしなりが出にくい傾向にあります。美しいフォロースルーは、全身の柔軟性と安定性のバランスが整っている証拠です。ここまでがしっかりと完了して守備の準備に入りましょう。
SUMMARY
痛みや不調の原因は「可動域不足によるフォームの崩れ」
肩・肘の痛みは「腕の問題」ではなく、全身の連動性の問題です。
肩や肘の痛み、ボールの伸びが悪い、肩や腕の張りなどの症状は、投球動作を正しく行えていないサインです。多くのピッチャーが「肩や腕の問題」と考えがちですが、本当の原因は複数の関節が十分に動いていない可動域不足にあることがほとんどです。
・肩甲骨や股関節の動きが悪い
・身体が崩れ体幹が安定していない
・トレーニング後のメンテナンスが十分にできていない
痛みやパフォーマンス低下を防ぐには、定期的なコンディショニングチェックと全身調整が効果的です。投球フォームの崩れや肩・肘の不調は、放置するほど改善に時間がかかります。
👉 次のステップ:野球肩がなぜ治らないのか で、長引く原因と根本改善のアプローチを確認しましょう。
RESULTS
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