【完全ガイド】野球肩とは? 原因・症状・治療・予防法まで徹底解説
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野球肩とは?原因・症状・治療・予防法まで徹底解説
はじめに
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投球動作における肩の痛みを防ぐために
野球をしている人にとって、肩の痛みはできるだけ避けたいものです。しかし、ピッチャーのように投球を繰り返すポジションでは、どうしても肩に負担がかかりやすくなります。その結果として起こりやすい代表的な障害が「野球肩」です。
「野球肩」とは、投球動作において肩に痛みや違和感が出る状態をまとめた呼び方で、特に成長期の選手や、日々投げ込みを行う選手、日頃のメンテナンスが行えていない選手によくみられます。投球時における身体の変化に早めに気づいて正しいケアをすれば、回復も早く、すぐに練習や試合に復帰できることが多いです。
しかし、まだ投げることができるからと言って、痛みを我慢して無理をすると、症状が長引いたり、強い痛みで練習や試合に出ることができなくなるといったリスクもあります。
たとえ肩に違和感が出たとしても、初期のうちに正しい対処をすれば、また思いきりボールを投げられるようになります。そのために大切なのは、「野球肩」について正しく知り、根本的な改善につながる方法を理解することです。
このページでは、広島のスポーツ整体「フィジカルデザイン」理学療法士監修のもと、次のような内容を専門的な視点からわかりやすく解説していきます。
• 野球肩とはどんなものか?
• どんな症状がある?セルフチェックの方法は?
• 医療機関と整体での治療の違いとは?
• 再発を防ぐには、どんなトレーニングや予防法が効果的か?
👉 まずは「野球肩とは何か」から理解していきましょう。
野球肩とは?
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「野球肩」とは、投球動作を繰り返すことで肩まわりに負担がかかり、関節や筋肉、腱、そして肩甲骨の関節唇(かんせつしん)と呼ばれる軟骨部分などに炎症や損傷が起きる状態を指します。
医学的には「投球障害肩」とも呼ばれており、痛みが出る場所(肩の前側・横側・後ろ側)や、その原因によっていくつかのタイプに分けられています。
野球肩が起きる理由
野球の投球は、テイクバック → コッキング → アクセレレーション → フォロースルー という一連の流れで行われます。この中でも特に「コッキング期・アクセレレーション期」では、投球動作に必要な可動域や安定性などが不十分であると、肩に大きな負担が集中してしまいます。

• コッキング期(腕を大きく後ろに引く動作)
• アクセレレーション期(ボールを加速させる動作)
肩の関節はとても広い動きができる反面、やや安定性に欠けるという特徴があります。そのため、体幹や股関節とうまく連動できていなかったり、投球フォームが崩れ腕投げになっていたりすると、肩だけに過剰な負担がかかるようになり、炎症やケガにつながりやすくなります。
👉 詳しくはこちら:「【5】投球フォームとメカニズム」をさらに詳しく見る
野球肩の代表的な種類
• インピンジメント症候群(肩の骨や筋肉がぶつかり合って炎症が起こる状態)
• 腱板損傷(肩の深い部分にある筋肉や腱が傷つく)
• SLAP損傷(肩の上のほうにある関節唇という軟骨の損傷)
• 上腕二頭筋長頭腱炎(肩の前側にある腱の炎症)
これらは、股関節・肩甲骨などの可動域の制限や投球フォームの乱れ、筋力のバランスの悪さ、不安定性など、さまざまな原因が重なって引き起こされます。
👉 詳しくはこちら:「【1】野球肩の症状と見分け方」をさらに詳しく見る
よくある症状とセルフチェック方法
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野球肩かも?と思ったら、まずはセルフチェック
野球肩は、最初から強い痛みが出て投球できなくなることは稀です。むしろ、初期の段階では「なんとなく違和感がある」「投げたあとに腕が張る」「ちょっと動かしにくい」といった軽い症状(身体からのお知らせ)から始まることがほとんどです。
ただし、そうした小さな症状を「まだ大丈夫」と無視していると、肩の中で少しずつ損傷が進み、炎症が悪化してしまう方が多いです。
練習後だけだった痛みが、やがて投げている最中にも出るようになり、最終的には強く投げられない、ボールにキレが出ないなど、パフォーマンスにも影響が出てしまいます。
主な症状のサイン
次のような症状がある場合、野球肩の可能性があります
• 投球後に肩が重くだるい、力が抜けるような感覚がある
• 肩の周囲に鋭い痛みを感じる
• 腕が上げにくい、胸が開かないなど、可動域が狭くなっている
• 球速やボールのキレが明らかに落ちてきた
• リリース時やフォロースルー時に、引っかかるような違和感がある
こうした感覚が続くようなら、一度、肩を含めた全身状態のチェックしてみましょう。
部位別に見る「痛みの出やすい場所とタイミング」
痛みが出る場所によって、考えられる原因が異なります。
【1】肩の前の痛み
上腕二頭筋長頭腱炎など(腕を後ろに引いたとき) 、肩甲骨・胸郭・体幹などの回旋制限
【2】肩の外の痛み
インピンジメント症候群(腕を上げたり、ボールを手放す瞬間) 、肩の外転制限、肩インナーマッスル機能低下
【3】肩の後ろの痛み
腱板損傷・関節包の硬化など (腕を振り切ったあと)に引っかかるような感覚、肩甲骨・胸郭・体幹・股関節などの回旋制限、肩インナーマッスル機能低下
👉 詳しくはこちら:「【1】野球肩の症状と見分け方」をさらに詳しく見る
野球肩の主な原因
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「野球肩」と聞くと、まず「投げすぎ」が原因だと思うかもしれません。もちろん、それも大きな要因のひとつになりますが、最も注目されるべき原因とは「関節可動域の制限」です。関節の動きが悪くなったため肩に過剰な伸長ストレスや腕投げのための力が必要になってくるのです。
多くの方が、練習・試合やトレーニングなどによる疲労の積み重ねによって関節可動域の制限、安定性が崩れ、身体の使い方やフォームがいつの間にか変化し、肩に必要以上の負担がかかるようになり、やがて慢性的な障害へとつながっていきます。
野球肩につながる主な原因
【1】オーバーユース(投げすぎ)
コンディション不良の状態では、投げる回数が多くなるほど疲労は蓄積し、可動域の制限が生まれます。そのような状態での投球は、肩へのダメージも少しずつ積み重なりやすくなります。また、練習や投球頻度に対して、しっかりとした休養やメンテナンスが追いつかないと、違和感から痛みに変化していきやすいです。
【2】投球フォームの乱れ
肘が下がってしまう、体が早く開いてしまう、体重移動がうまくできていない…。これも疲労などの蓄積により可動域の制限により身体がスムーズに動かなくなってフォームが崩れていきます。そういったフォームの崩れは、肩に過剰なストレスをかけることになり、ケガにつながりやすくなります。
【3】体幹・股関節・肩甲骨の連動不足
本来、投球動作は全身の連動によって行われます。下半身や体幹で生み出した力を、肩や腕に効率よく伝えることができると効率的な投球ができるのですが、体幹の不安定さなどにより、その連動がうまくいかないと「腕で投げる」状態になりやすく、肩への負担が集中してしまいます。
【4】関節可動域の低下
股関節・肩甲骨・肩関節や胸まわり(胸郭)の動きが硬くなっていると、狭い動きの中で頑張って投球しなければならなくなり、どうしても無理なフォーム(腕投げ)になりがちです。結果として、肩周囲の筋肉や腱に過剰なストレスがかかり、ケガのリスクが高まります。
【5】筋力のアンバランス
肩まわりの筋肉は、前後・内外でバランスが取れて安定して動くことができる状態が大切です。一部の筋肉だけを強化したり、トレーニング後のストレッチなどを怠ると、肩の安定性や動きが不安定になり、肩の痛みにつながることがあります。
【6】成長期の選手
中学生や高校生など、まだ成長途中の選手は、投げ方の知識が不十分であったり、骨や筋肉が発達途中であるため、あまり無理がききません。
フォームが未完成な状態で強く投げ続けたり、十分な休養やメンテナンスを行わずに練習を重ねたりすると、慢性的な疲労で野球肩が治りにくくなってしまうリスクが高まります。
まとめ:野球肩は「肩だけ」の問題ではない
野球肩は、単なる肩のトラブルではなく、関節可動域の制限により、全身の使い方のバランスが崩れた結果として起こる障害です。そのため、予防や改善のためには以下のポイントがとても重要になります
• 日々のフォームチェック
• 投球技術の知識を学ぶ
• 疲労を残さないメンテナンス
• 柔軟性を整えるトレーニング
• 十分な休養と食事
こうした積み重ねが、ケガ無く野球を続けるための土台になり、安定した結果を出すことができます。「少し変だな」と異変を感じたら、早めの見直しが重要になります。
👉 詳しくはこちら:「【2】野球肩の原因と悪化要因」をさらに詳しく見る
野球肩の治療方法
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野球肩は、適切な治療とリハビリを行えば、再び投げられるようになるケガです。ただし、「痛みが消えた=完治した」と思ってしまうのは危険です。
痛みが治まっても、投球が悪いままでは再び痛みが出ることがあります。本当の意味で回復するには、痛みが引いたあとも全身の使い方や投げ方を見直して、再発を防ぐことがとても大切です。
【1】初期対応(急性期)
炎症や強い痛みが出ている初期の段階では、まず肩への負担を減らすことが最優先になります。
• 投球時に痛みがある場合は、すぐに投球を中止し、肩をしっかり休ませる
• アイシングなどで炎症を抑える
• 痛みを感じる練習やトレーニングは一時中断する
この時期に無理をすると、回復が遅れるだけでなく、症状が慢性化してしまう恐れがあります。「ちょっと痛いけど大丈夫」と思わず、早めの対応が重要になります。
【2】医療機関での治療
痛みがなかなか引かない、日常生活にも支障が出るという場合は、早めに整形外科などの専門医を受診しましょう。
• レントゲンやMRIなどの画像診断で、肩の状態を正確にチェック
• 理学療法士によるリハビリ(可動域の回復、ストレッチ指導など)
• 必要に応じて、湿布や注射などの炎症・痛みを抑える治療も行われます
専門家の判断を仰ぐことで、より的確な治療とリハビリが可能になります。
【3】スポーツ整体でのアプローチ(当店の取り組み)
当店では、「肩の痛みそのもの」だけに注目するのではなく、全身の動きのバランスや投球フォームの修正にも目を向けたサポートを行っています。
• 投球動作の分析を通じたフォームの確認
• 肩まわりの筋肉や筋膜へのアプローチで可動域の改善を図る
• 体幹や股関節の可動性・安定性を図るトレーニング
少しずつ全身の反応をみながら、再発予防とパフォーマンス向上を目指した段階的なプログラムを進めていきます。「肩だけ」ではなく、「なぜ肩に負担がかかってしまったのか?」という根本原因にアプローチしていきます。
投球復帰までの段階的なアプローチ
野球肩の痛みから全力投球が行えるように戻すには、段階を追って全身を整えていくことが大切です。
【1】可動域の回復
投球動作を行うために必要な全身の可動域を獲得し、無理なく肩を動かせる状態にしていきます。
【2】安定性の再構築
体幹をはじめ、肩甲骨・股関節の安定性や各部の連動性を高め、ブレない動きの土台を作ります。
【3】投球動作の再教育
投球動作の知識を学びながら、フォームのクセや崩れを見直し、肩に負担のかからない投げ方を身につけます。
【4】投球再開
まずは軽めのキャッチボールから。徐々に強度や距離を戻していきます。
まとめ:早めの対応と正しいリハビリが重要
野球肩の治療は、「痛みがなくなる → 全力で投げられる → 再発を防ぐ」という一連の流れが大切です。肩に違和感や痛みを感じたら、我慢せず、できるだけ早く適切なケアを受けるようにしましょう。
そして何より大事なのは、「投げられる体」を作っていくこと。焦らず丁寧に身体を整えることで、安心してマウンドに戻る日が近づいてきます。
👉 詳しくはこちら:「【3】野球肩の治療とリハビリ方法」を詳しく見る
再発を防ぐ!予防とトレーニング法
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野球肩を防ぐために大切なのは、肩以外の場所にも視野を広げていくことです。全身を効率よく使えるようになることで肩への負担も軽減し、力強い投球感覚を身につけていくことができます。
腕ばかりに頼った投球で頑張っていると、どうしても肩への負担が集中してしまいます。しかし、肩甲骨・体幹・股関節がしっかり連動して動いていれば、疲れにくい安定したフォームになり、ケガのリスクも大幅に減らすことができます。
効果的な予防トレーニング
日々の練習やトレーニングに、次のようなメニューを取り入れてみましょう。全身の連動性や肩の安定性を高めるのに役立ちます。
【1】胸郭・肩甲骨・体幹・股関節ストレッチ
投球を行うための土台となる体幹・肩甲骨・股関節の全可動域をスムーズに動かせるよう、回旋動作も加えながら可動性と安定性をアップさせていきます。
【2】股関節と体幹との連動
体幹を安定させながら股関節を使うようなトレーニングを取り入れると、下半身の力を効率よく上半身に伝えられるようになります。
【3】チューブトレーニング
ゴムチューブなど軽い負荷を用いて肩のインナーマッスル(回旋筋)に刺激を加えることで、肩の関節がしっかり安定し投球動作が楽になります。
【4】体幹トレーニング
腹圧を意識したトレーニングやバランス系の動きで、投球時の姿勢や出力を安定させることができます。
チーム全体で取り組む「予防の習慣化」
個人でのトレーニングも大切ですが、チームとして意識して取り組むことで、予防効果はさらに高まります。
【1】投球数・登板間隔の管理
練習においても長時間、同じ練習を続けるのを回避して投げすぎを防ぎ、肩に疲労がたまらないように調整しましょう。
【2】練習前後の可動域・フォームチェック
疲労やフォームの乱れに気づくことができれば、早めに対応していくことができます。
【3】定期的なメディカルチェック
可動域の変化や動作をチェックし、ケガの予兆を見逃さないようにします。
継続こそ、最大の予防
どんなに効果的なトレーニングや対策も、続けなければ意味がありません。日々の小さな積み重ねが、野球肩の再発を防ぎ、パフォーマンスの向上にもつながっていきます。「肩を守る」だけではなく、「思いきり投げられる身体をつくる」ことを目指して、ぜひ取り組んでみてください。
👉 詳しくはこちら:「【4】野球肩の予防法とトレーニング法」を詳しく見る
保護者・指導者ができること
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保護者・指導者にできるサポートとは?
中学生や高校生など、成長期の選手たちは、身体も心もまだ発展途上です。この時期に起こるケガは、場合によっては将来の野球人生に大きく影響を及ぼすこともあります。だからこそ、保護者や指導者のサポートがとても大切です。子どもたちが長く野球を楽しめるように、私たち大人ができることを見ていきましょう。
保護者ができるサポート
【1】小さなサインを見逃さない
「ちょっと痛いかも」「なんか違和感がある」そんな何気ない一言を、見過ごさないことが大事です。特に我慢強い子ほど、自分からは言い出しにくいこともあります。日頃からよく観察して、少しの変化に気づいてあげることが早期解決につながります。
【2】勝ち負けより、体を大事にする判断を
大事な試合や大会があると、つい無理をさせたくなる気持ちもあるかもしれません。しかし、不調がある時には、今は無理をさせない勇気こそが、未来のパフォーマンスを守ることになります。
【3】栄養・睡眠・回復を支える環境づくり
毎日の食事や睡眠、練習後の入浴やストレッチなど、回復のための習慣づくりも、保護者の大切な役割です。「しっかり食べて、よく寝る、毎日のストレッチ」当たり前のことが、実は一番の予防になります。
指導者ができるサポート
【1】投球数・登板間隔の管理
成長期の選手は、疲労の回復が大人より遅いと言われることもあります。だからこそ、投げすぎを防ぐ配慮やスケジュール管理がとても大切です。
【2】投球フォームのチェックと指導
フォームの乱れは、肩への負担を大きくする原因になります。定期的に投球フォームをチェックして、必要なときに正してあげることが、予防につながります。
【3】ウォーミングアップ・クールダウンの徹底
練習や試合前後の準備運動・整理運動は、ケガの予防に直結します。チーム全体でウォーミングアップとクールダウンを習慣化していきましょう。
まとめ:子どもたちの未来を守るために
野球肩の予防は、選手本人の努力だけでは限界があります。周囲の大人たちができるのは、「気づいてあげる」「声をかける」「無理をさせない」こと。それだけでも、子どもたちのケガはグッと減らせます。
小さなサインを見逃さず、長く・楽しく・健康に野球が続けられる環境を、私たち大人が一緒につくっていきましょう。
👉 詳しくはこちら:「【4】野球肩の予防法とトレーニング法」を詳しく見る
まとめ
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野球肩は、決して“治らないケガ”ではありません。
早期の対処と、体の使い方の根本的な改善によって、再び全力でプレーすることは十分可能です。
痛みを我慢せず、違和感の段階で専門家に相談を
再発を防ぐには、フォームの見直しと体幹・肩甲骨・股関節の連動が重要。継続的なケアとトレーニングが、パフォーマンス向上にもつながります。
身体を正しく使えるようになれば、ケガを防ぐだけでなく、投球のキレや安定感も向上します。“投げ続けられる身体”をつくるために、日々の意識と取り組みが大切です。
👉 各詳細ページで、「原因」「治療」「予防」をさらに詳しく学びましょう。
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