シンスプリントの痛み(過労性脛骨骨膜炎)

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シンスプリントとは何ですか?

 

シンスプリントとは疲労性の「すね」の痛みとされています。陸上やサッカーなどにおいてシンスプリントという呼び方は一般的に広く知られていますが、1つの症状で正式な病名ではありません。正式な病名は「過労性脛骨骨膜炎」です。陸上競技をはじめランニングを頻繁に行うスポーツ選手に非常に多くみられます。


その他「すね」に痛みが出る病名としては、シンスプリントにあたる過労性脛骨骨膜炎の他に、脛骨疲労骨折、コンパートメント症候群、遅発性筋肉痛など数多くみられます。しかし、この過労性脛骨骨膜炎と脛骨疲労骨折については痛みの症状として鑑別が難しく、この2つの病態が含まれているという意見もあります。

さらに、シンスプリントの痛みは、「すね」の内側に沿った幅広い場所の痛みになりますが、脛骨疲労骨折の場合は特定の場所に痛みが出る傾向があるようです。一般的にはシンスプリントの痛みは左右の差はあまりなく、両側ともに痛みが出ることが多いとされているようですが、私の経験上では左右に傾いているといった姿勢の変化により片方だけが痛む方も少なくありません。

アメリカでは、シンスプリントがランニングによる痛みの10~15%を占めており、また、様々なスポーツ選手の「すね」に発生するケガの60%を占めているようです。

また、シンスプリントの痛みが生じる種目は陸上競技が最も多く、次いで野球、バスケットボール、エアロビクスなど、ランニングやジャンプなど運動強度の高いスポーツに多く発生する傾向にあります。

 



シンスプリントの痛みはなぜ出るのでしょうか?


シンスプリントの痛みは「すね」の内側にあるヒラメ筋、長趾屈筋、後脛骨筋といった筋肉が骨についている部分に過剰なストレスが加わったため生じるとされています。その他、それら筋肉の柔軟性の低下、土踏まずの減少、衝撃吸収の低下、硬い路面、靴の影響などが考えられます。

スポーツ選手の場合、競技歴が浅い初心者は発生する頻度が比較的高いと言われていますが、初心者でなくとも、ランニングやジャンプなどの練習やトレーニングを増やした時などに発生することが多くなります。

また、今までに足首の骨折や捻挫(靭帯損傷)をした後に、適切なリハビリやバランスがとれたトレーニングが行われていない場合、足首の柔軟性や筋力の低下の問題が残っていることがあり、シンスプリントの痛みと関係することがあるので注意が必要です。

シンスプリントでは、ふくらはぎ(下腿三頭筋)の柔軟性の低下により、足首がしっかりと曲がらないことが多くみられます。特に、ヒラメ筋の柔軟性低下はランニングの着地などで「すね」の内側にストレスがかかりやすくなります。しかし、足の柔軟性に問題がないにもかかわらずシンスプリントの痛みが出る例もあります。



姿勢からの影響も関係するのでしょうか?



シンスプリントの痛みは姿勢の変化が大きく影響してきます。やや専門的になりますが、立っているときに上半身の重心がどこに位置するか(つま先かかかとか・右か左か)、さらに動いているときに重心を正しくコントロールできているか(片方に偏ったままになっていないか)などによって脚の筋肉や関節は大きく影響を受けており、そこにシンスプリントの原因が隠されています。

特にシンスプリントの場合、腰や背中が丸くなっているなどの影響によってカラダの体重が後方にある方に多くみられる傾向があります。体重が後方に移ると、走るために最も強力で重要であるお尻や太ももの裏の筋肉が活動しにくくなるのですが、それを補うためにふくらはぎの筋肉が過剰に活動することで痛みにつながったものであると考えられます。


そのため、アイシングやストレッチあるいは筋力トレーニングなど一般的なシンスプリントの治療によって一時的に痛みが軽減しても、また走れば再発を繰り返すという場合、股関節や上半身の問題が解決できていない場合が十分に考えられます。

シンスプリントの痛みを解決する場合、足のストレッチやアイシングも重要ではありますが、上半身や股関節のストレッチも取り入れてみてください。しかし、痛みの経過が長い方や、痛みが強く走れないといった場合は多数の原因に対し対応しなければならないため、改善するためには専門的な知識と技術が必要となります。強い痛みでお悩みの場合は、ぜひ全身的な状態を把握して改善することができる専門家にご相談されることをおすすめいたします。



どのように対処すればよいのでしょうか?


すでにシンスプリントの強い痛みが出ている場合、全身状態が崩れることによって「ふくらはぎ」に過剰なストレスがかかり、筋肉だけの問題ではなく、腱の動きや皮膚・筋膜といった要素が複合的に絡み合って動きを制限しているため、足首のストレッチやふくらはぎのマッサージを行っても、なかなか可動域も広がらず痛みは軽減してこないという場合もあるかもしれません。

初期段階で、痛みがそれほど強くない場合はストレッチを行って改善する可能性もありますので、ストレッチで頑張ってみようと思われる場合は、下記のストレッチを試みてください。これらはどれも重要ですのでマイルドに時間をかけてじっくりとおこなうのがコツです!


シンスプリントで行うべきストレッチ
① 大腿四頭筋(太もも前)のストレッチ
② ハムストリングス(太もも裏)のストレッチ
③ 股関節前を伸ばすストレッチ
④ 胸のストレッチ
⑤ ふくらはぎのストレッチ

上記がシンスプリントの場合に行うべきストレッチになると思われますが、シンスプリントの痛みが出ている場合、すでに体幹から股関節も含めて全身状態が整っていないことを示していますのでストレッチだけでは思うように改善に至らない場合もあるかと思います。

痛みを我慢して無理して走っても、あなたのパフォーマンスは低下するばかりか、今後、疲労骨折に至る場合も出てきます。
これからの選手生命を左右することのないように、シンスプリントの痛みでお困りの場合、ぜひスポーツ選手の経験が豊富で、全身状態を把握することができる専門家にご相談されることをおすすめいたします。


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