ジャンパー膝(ひざの前の痛み)
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ジャンパー膝とは
膝の前に痛みが出る
ジャンパー膝は膝の前に痛みが出るのが特徴です。特に、バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、陸上など、ジャンプや急激なストップなどを繰り返し行うスポーツ選手にみられます。また、ジャンプ以外でもランニング、スキー、球技、自転車といった競技にも多く発症します。
大腿四頭筋へのストレス増加
ジャンプの着地、さらにそこからまたジャンプするといった激しい上下の動きを頻繁に繰り返したり、大きな力で足を踏ん張った場合など、股関節の硬さがある方は太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を過剰に酷使することになります。このようなストレスが続くと、膝の前への張力が増大し膝周囲に痛みが出る可能性が高くなります。
原因は筋力の低下や疲労ではない
痛みが出る状態は、膝のお皿の下にある膝蓋腱(しつがいけん)が過剰に引っ張られることによって炎症を起こしたものになります。しかし、痛みが出ている場所のストレッチや筋力強化を試みてもなかなか改善が得られない場合が多くあります。改善が得られない理由は、単純に筋力の低下や疲労によって痛みが出ているわけではないからです。
原因は体重が後ろにかかっている
ジャンパー膝になる方には特徴があります。その多くが「背中が丸い」「骨盤が後ろに傾いている」「股関節が曲がりにくい」といった状態により体重がやや後ろにかかっています。カラダの重心が足の中心よりも後ろ側(かかと側)になったまま運動を行うことによって、大腿四頭筋に過剰なストレスがかかっていることに原因があります。
原因を解決しなければ改善しない
原因に対して適切に対応しなければ、太もものストレッチや筋力トレーニングを行っても大きな改善が得られません。ジャンパー膝(膝の前の痛み)を改善するためには、重心の位置を後方から前方に戻るように全身を修正していかなくてはなりません。
痛みの原因は個人によって異なる
痛みを改善するためには、全身に複数ある原因に対して修正を加える必要があります。しかし、その原因は一人ひとりが異なるため改善することは容易ではありません。早期に痛みを改善する必要があるのであれば、全身状態を把握して対応できるスポーツ治療の専門家に依頼されることをおすすめします。
ジャンパー膝の痛み
靭帯の部分的な損傷による痛み
ジャンパー膝は膝のお皿(膝蓋骨:しつがいこつ)の下にある膝蓋靭帯(しつがいじんたい)に持続的なストレスが加わることによって起きた部分的な損傷です。
痛みの訴えが多い場所
最も起こりやすい場所は、お皿の下(65%)ですが、お皿の上でも起こり(25%)、すねの骨にも起こります(10%)。それぞれ柔軟性の低下している場所やスポーツ活動によって過剰に負担がかかっている場所が異なるため痛みの場所も変わります。
初期の痛みはさほど強くない
腱などに生じる小さな断裂は、初めから大きな痛みが生じるわけではありません。そのため、選手は痛みを我慢しながらスポーツ活動をそのまま続けることが多く、無理をして練習を続けることによって組織の損傷を増していくことになります。
ジャンパー膝の症状
ジャンパー膝の主な症状
ジャンパー膝の特徴的な痛みは、ひざの前、お皿の下あたりの痛みです。初期には運動の後に痛みが出ます。カラダを動かすことによって痛みが軽減したり、ウオーミングアップでカラダが温まると痛みが消えることもありますが、運動が終わった後に再び痛みが出てきます。 病状が進行すれば、運動の初めから痛みが続き、運動中、運動後においても痛みが軽減しません。
徐々に痛みが強くなり動きにくくなる
はじめは鈍い痛みですが、徐々に鋭い痛みへと変わっていきます。その後、痛みは運動後のみならず、階段、しゃがみ込み、立ち上がり、歩行などでも痛みが出るようになりスポーツ活動にも影響を及ぼします。痛みで脚の力が抜けることもあり、選手は「膝折れする」「筋力が弱ってきた」と訴えることもあります。
背中が丸くなる姿勢が悪影響
例えば、椅子やソファーなどに長時間座ることが多いと、背中や腰が丸くなり骨盤も後ろに傾いた姿勢になっていることがあります。このような姿勢は、頭から押しつぶされたような重力に負けた姿勢なのですが、この姿勢が定着すると、立ち上がりの動作や、立った後も重心がかかと側に移りやすくなります。
重心が後ろになることの影響
重心が後ろに移ったままの姿勢が定着すると、通常の日常生活だけでも太もも前の大腿四頭筋を頻繁に使うようになります。この状態での活動は股関節の硬さを助長していき、体幹の安定性を低下させることにもつながり全身的な問題と発展していきます。さらにその状態でスポーツ活動を行うと筋肉や靭帯へのストレスは計り知れません。
股関節の機能を発揮できていない
背中を丸めた姿勢はスポーツ選手にとっては致命的で、ジャンプや踏み込みなどで股関節の強力な推進力を発揮する大殿筋やハムストリングスが使いにくくなりパフォーマンスが低下します。その代わり、膝を伸ばすために使われる大腿四頭筋が過剰な負担を強いられ膝周囲の痛みへと発展するのです。
ジャンパー膝の痛みへの対応
ストレッチでは改善できないこともある
膝の前が痛くなるのは、胸郭や股関節の硬さによりカラダの重心が後ろになってるからです。そのため、大腿四頭筋のストレッチを念入りに行っても思うように痛みが改善しない場合もあるかもしれません。
股関節の機能を発揮させる
大腿四頭筋の柔軟性を改善することも必要かもしれませんが、股関節がしっかり曲がるように、また、しっかりと胸が伸ばせるように調整することで重心を前方に修正し、動作の中で股関節が機能するようにしていかなくてはなりません。
改善が難しければ専門家に依頼する
練習やトレーニングが続けれないほど痛みが強い場合は、全身的な崩れが定着しており、部分的なマッサージやストレッチなどではなかなか改善が得られません。早期に改善をご希望の場合、全身的な問題を解決できるスポーツ治療の専門家に依頼されることをおすすめしています。
フィジカルデザインは、プロスポーツ選手と研究を続けているノウハウが豊富にあります。また、貴重な練習時間などに影響しないよう夜間営業しておりますので、ぜひご検討くださいますようよろしくお願いいたします。