野球による腰痛とその対応

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はじめに


 

野球を行われている選手の中でも痛みの程度は差があるものの、腰痛を我慢しながら野球を続けている選手は多くみられます。当店をご利用いただいている野球選手の中でも野球肩、野球肘に次いで腰痛は3番目に多いのではないかと思います。その中でも練習量やウエイトトレーニングが多くなる時期の高校生や、オフトレーニング中あるいはキャンプ中のプロ野球選手に多くみられます。

投球動作をはじめバッティングの動作など野球選手が行う動きは、カラダを瞬時に非常に力強く回旋させる必要があり、安定したパフォーマンスを出すためには腰の安定性が非常に重要になってきます。そのため、腰痛は野球選手にとって致命的となります。

スポーツ選手にとって腰は上半身と下半身をつなぎ合わせ、ダイナミックな動きを実現するために非常に重要な場所になります。野球選手にとっての腰は投球動作、バッティングをはじめ様々な動きの中において、上半身と下半身をつなぎ、腕や脚と共に連動させることで効率良く、かつ強力なひねり運動を生んだり、常に動作に先立った重心のコントロールを常に行っているからです。

そのため、腰に痛みがあると全身の連動を用いた運動ができないため、あなたが持っているパフォーマンスを十分に発揮することができなくなります。野球選手にとって腰痛はなるべく避けたいものですが、腰痛は痛みの原因に対して正しく対応できていないと慢性的な経過になりやすく、再発を繰り返すことも少なくありません。



野球で多い腰痛とは
 

腰痛は幅広いスポーツ種目でみられ、スポーツ選手に生じる痛みの中で最も頻度が高いとされています。また、一般的には腰の痛みのことを腰痛と呼ぶことが多いと思いますが、実は腰痛には数種類の腰痛があり、それぞれ病態が異なります。


そのなかでも、野球選手に多くみられるのが「筋・筋膜性腰痛症」といわれる腰痛になります。病院で行われるレントゲン検査において骨に異常が認められないもので、一般的にはスポーツ活動により腰周囲の筋膜や筋肉といった組織に、過剰な負担がかかったため腰に痛みが出たものとされます。

しかし、痛みの原因として腰の柔軟性の低下や筋力不足と捉えられることが多いですが、完全に腰痛を治していくためには、単純に痛みが出た場所の筋力の低下や柔軟性の低下だけが原因ではないということを理解しておく必要があります。

また、腰椎分離症・腰椎すべり症と診断されている方でも、骨そのものの痛みよりも、筋・筋膜や仙腸関節といった関節や組織が動きにくくなったことによる痛みではないかと思われる方が多数いらっしゃいます。



野球で代表的な腰痛の分類
  

1.筋・筋膜性腰痛症

腰やお尻などの痛みが主な症状で、一般的に腰痛と言われるのがこれです。整形外科によるレントゲンやMRIなどの検査で特に異常はみられずあしに「しびれ」などの神経症状がない腰痛を「筋・筋膜性腰痛症」といいます。

軟部組織への疲労物質の蓄積によって硬さがみられます。また、神経への血行障害によっても痛みが起こると考えられています。さらに、結合組織の増殖による組織の癒着も痛みの原因と考えられます。これらは炎症、血行障害、痛みといった悪循環をつくっていきます。


2.腰椎分離症・腰椎すべり症

腰椎分離・すべり症は、成長期に生じる背骨の疲労骨折の一種となります。通常は6~12歳くらいの時に行われた激しいスポーツ活動により腰椎へ過剰な負荷がかかり発症しますが、その時に必ずしも激しい腰痛が出るとは限らないため早期発見が難しいとされています。

診断は、整形外科で行われ、レントゲンで関節突起の亀裂が認められます。症状は腰痛が主体で、体を後ろにそらすと腰痛が強くなりますが、時に脚にかけて痛みが出ることがあります。種目別には、ハンドボール、バドミントン、バスケットボール、レスリング、ラグビーなどのコンタクトスポーツに特に多くみられます。


3.椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは、腰椎の椎間版の中にある髄核が後方に押し出されることにより神経を圧迫したものになります。腰の痛み、お尻や脚にかけて痛み・シビレ(坐骨神経痛)が生じます。スポーツ活動による腰へのストレスは原因の1つとして考えられています。腰痛やお尻や脚への痛みやシビレがあるかどうかが診断のポイントとなります。



野球の腰痛が治りにくい現状

 一般的にスポーツ選手の腰痛で第一の原因として挙げられるのが、使い過ぎによるオーバーユースだと考えられています。練習や試合によって腰を使いすぎたため炎症を起こし痛みが出てきたというものです。多くの病院や治療院でもこのように説明されることが多いと思います。

しかし、検査・診断を受けて腰のストレッチやマッサージあるいは電気治療といった治療を行っても、投球やバッティングを行うとすぐに再発するケースは非常に多くみられます。このようにすぐに再発してしまう場合は腰痛の原因に対して適切な治療が行われていなかったことを表しています。要するに治療方法が誤っていたということになるのです。

野球による腰痛について詳しく分析を行っていくと、単純に腰の「使い過ぎ」や「柔軟性の低下」ではないということが解ってきます。そのため、誤った考えのもとで誤った治療を行うと思うように痛みが改善しないばかりか、慢性的な腰痛になってしまう可能性も出てきます。このようなことは早期に競技復帰することが望まれるスポーツ選手は避けたいところですが、様々な病院や治療院へ行ったけれども残念ながら腰痛が治らないと困っていらっしゃる方は非常に多くみられるのが現状です。

しかし、健康保険が利用できるような病院や治療院では、上記の「使い過ぎ」「柔軟性の低下」という考え方に基づいて、「電気治療」「マッサージ」「腰を引っ張る」といった数十年前からの治療を現在も普通に行っています。そのため、早く治したいのにどこに行っても同じような治療で、いつになったら痛みが改善するのか不安に思う方も少なくありません。また、その時は気持ちはよいが痛みはさほど変わらなかったり、しばらくすると痛みが再発するため今後どうしたら良いのか悩んでおらる方も少なくありません。

 

 

腰痛の原因

一般的に腰痛の治療としては、痛みが出ている場所に対して治療を試みるのですが、何度試みてもどうもすっきり治らない場合がみられます。そこで腰痛がなかなか治らないと訴えられる方の痛みの原因を根本的に探っていくと、単純に腰を使いすぎたというだけでなく、「腰を過剰に働かなければならなかった」という原因が全身に複数隠されているということが解ってきます。

本来、全身が調和して活動することができていれば、腰だけに負担がかるということはないのですが、上半身の崩れや、股関節の硬さなどによって体幹のインナーが機能しにくくなるとカラダの不安定さが出てきますので、カラダは自動的に腰をはじめ全身の様々な場所を過剰に働かせることでなんとか安定を保とうと努力してきます。

要するに腰はカラダをなんとか安定させて制御しようと過剰に活動してくれているのです。しかし、腰だけがいくら頑張っても全身を正しく制御することは困難です。それでもなんとか制御しようとさらに腰は過剰な緊張をつくるため疲労が積み重なってきます。そして腰も限界に近づくと壊れるのを防ぐために痛みを出して危険を知らせているのです。

一般的な病院や治療院ではスポーツ動作に対する知識が不足していることや治療時間などの関係もあり、基本的に全身の状態を評価して「なぜ痛みが出たのか」という根本的な原因を特定することが難しいため、基本的に主に痛みが出た場所しか対処することができません。

このようなことから、いくら通院してもなかなか痛みが治らないということがみられるのです。痛みを本当に改善するためには、筋肉の張りが原因だとか、筋力が弱いといった常識を破ることが必要となります。
多くの方が、痛みが出ている場所、腰痛であれば「腰が悪い」「腰が弱い」と思われる方がほとんどだと思いますが、腰に大きな負担をかけている腰以外の場所に大きな問題が隠されているのです。野球選手にとって腰痛は避けたいものですが腰痛は決して悪いものではなく、腰が壊れるのを防ぐために痛みを出して危険を知らせてくれているのです。



腰痛を改善するために
 

突然、腰に強い痛みが出てしまった場合、一時的に野球の練習を行うことや、日常の動作も難しくなることもあると思います。しかし、必ず痛みは落ち着いてきますので、数日は無理をせず安静にしておくことも必要だと思います。

しかし、安静にしていて痛みが落ち着いても、腰痛の原因が解決されていなければ競技復帰しても、すぐに腰痛が再発するなど問題の解決になりませんので、腰痛を完全に治すためには、なぜ痛みが出たのかその根本的な原因を特定して改善を図っていくことが重要になってきます。

痛みは、あなたのカラダが発信している警報ですので、その警報装置がなぜ作動したのか特定しなければなりません。例えば、火災が起きた時に火元を特定せずに火災報知器のスイッチを切ることはしないと思います。これと同様で、痛みの原因を特定せずに「痛み止めの薬」や「痛み止めの注射」をしてもますます被害を広げるばかりで問題解決にはなりません。

重要なことは痛み止めなどで痛みをごまかさず、痛みの原因に対して対処することで痛みがどう変化するかをみていかなくてはならないのです。正しい対応を行えば骨折でもないかぎり劇的に痛みは変化してきます。しかし、野球による痛みの原因を特定することは容易ではありません。例え痛みが同じ場所に出ていたとしても、その原因は1人ひとりが異なり、全身に複数の原因が隠されているからです。

重ねて申しあげますが、痛みの原因に適切に対処することができれば必ず痛みは無くなります。痛みを気にすることなく子供の時のように自由に動くことができるようになるのです。

本当の意味で痛みの改善を図っていくためには、やはり専門的な知識と技術が必要となります。 痛みを一刻も早く改善するためには、必ず全身状態から痛みの原因を特定できる痛み改善の専門家にご依頼されることをおすすめいたします。



腰痛の予防方法
 

多くの方が腰痛を予防するためには、腹筋や背筋の筋力強化をはじめ、体幹トレーニングあるいは腰の柔軟性が必要であるとお考えだと思います。しかし、実際は筋力を鍛えて強化することや体幹トレーニングは必要ありません。確かに柔軟性は非常に重要だと思いますが、最も重要なことは、どれだけ動いても腰に負担がかからない全身状態に調整していくことになります。そのためには全身の非常に細かな柔軟性とインナーマッスルに制御された各部の連動を呼び起こさなくてはならないのです。

しかし、いざ柔軟性を得ようとしてストレッチやマッサージを行ったとしても思ったほど改善せず、次の日には「元に戻っている」ということも多いと思います。 また、インナーマッスルが重要だと考え、いわゆる体幹トレーニングを試みても逆に大きな筋肉の張りが出るばかりで、その「効果が実感できない」ということが少なくありません。

カラダの柔軟性が維持できない理由は非常にシンプルです。硬さがあるカラダは、動きの安定を図るためにその硬さが必要な状態となっているのです。本来、大きな筋肉は動きを必要とする時だけ積極的に活動してほしいのですが、何らかの原因でカラダの安定性が保てない場合は、すでにインナーマッスルが活動しにくくなっているため、それを補うように大きな筋肉が「関節の安定」と「動き」を同時に提供する必要が出てきます。

こうしたことはカラダを動かすためには非常に効率が悪く、例えるならば「車のブレーキを踏みながらアクセルを踏んでいる状態」と同様です。筋肉に余分な力ばかりが入り、思うように動くことができません。カラダが硬くなかなか柔軟性が得られないというのはこのような理由があるのです。

野球選手に腰痛があれば思うように動けず本来のパフォーマンスを発揮することができないため、一日も早く腰痛を改善したいと思われるでしょう。しかし、本当の意味で腰痛を改善するためには、必ず全身状態を把握する専門的な知識や技術が必要となります。慢性的な腰痛になる前に痛みを早く改善するためには、カラダの状態を把握して全身を適切に調整することができる痛み改善の専門家にご相談されることをおすすめいたします。


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